詩編128編《愛の家庭を拓く》 【はじめに】主イエスはわたしたちに人生を雄々しく切り開くことを期待しておられる。人間は社会的な存在である。「人」という字は人と人とがささえあう形。かつて第二次大戦中にヒットラ-はたいへん残酷な実験をした。赤ちゃんを隔離し、栄養分は与えたが、お母さんの愛、すなわち、だっこすることや、スキンシップを与えないとどうなるかの実験であった。愛に飢えた赤ちゃんは次第に食物を受け入れなくなり、嘔吐しはじめ、衰弱し、死亡したという。現代日本はまさに空前の繁栄を誇る物質文明のただなかにある。しかし、多くの魂は愛に飢え、傷ついている。暖かい愛の家庭を築くことは人生を切り開いて行くうちでも最も大切なもののひとつであろう。 【この詩の解説と区分】 この詩は宗教改革者マルチン・ルタ-が愛して「Epithalamium」(ラテン語で結婚の歌)と呼び、内村鑑三も「世にこれに勝る家庭歌あるなし」と絶賛している。 この詩は大きく3区分できる。 1節 主を恐れる者の祝福。 2-4節 家庭の祝福と子宝の保証。5節も含めて「7つの祝福」。 5-6節、「シオンから」下る祝福。 【メッセージのポイント】 1)1 いかに幸いなことか 主を畏れ、主の道に歩む人よ。(1節) ⇒主をおそれ、主に道に歩むものの幸い。 信仰とは神をおそれる生活である。罪とは神をおそれないことである。箴言1章7節に「主をおそれることは知識のはじめである」と記される。真理を侮ることは恐ろしい。かつて日本が戦争で中国や韓国に攻め入った時、その地域の勇気あるクリスチャンが「わたしは神以外の者は何をも恐れない」と死を賭して戦った。その時のある日本兵の言葉「わたしは神をも恐れない」。そして彼らは殺戮を行なった。神をおそれることを忘れるときに人は人間の尊厳を忘れる。 ある幼稚園の標語「神をおそれることを忘れた教育は、賢い悪魔を造る」。 2)2 あなたの手が労して得たものはすべて あなたの食べ物となる。 あなたはいかに幸いなことか いかに恵まれていることか。 3 妻は家の奥にいて、豊かな房をつけるぶどうの木。 食卓を囲む子らは、オリーブの若木。 4 見よ、主を畏れる人はこのように祝福される。(2-4節) ⇒主に従うものに与えられる7つの祝福。 (C.E.ローガンによる) (1) 魂の幸い、なんと恵まれていることよ (2) 勤労の祝福 (3) 平安と健康 心身ともなる健やかさ (4) 妻の愛とこまやかな心配り (5) 子宝 (6) 愛の交わり(特に食卓をかこんでの団欒) (7) 長寿 20世紀のはじめ、内村鑑三は万朝報誌に「隠士の新年」と題して文章を発表した。それは20世紀の家庭の崩壊現象を見抜いた預言者の言葉のようである。自分の戦いは政治や、評論のたぐいではなく、真に暖かい、愛情のこもった家庭を造ることであると彼はいう。真の家庭を造るには祈りと多くの労苦がいる。 3)5 シオンから 主があなたを祝福してくださるように。 命のある限りエルサレムの繁栄を見 6 多くの子や孫を見るように。 イスラエルに平和。 ⇒ 家庭の祝福はシオン(礼拝)よりきたる。 揺るぎなき家庭は「礼拝する家庭」である。週のはじめわたしたちは公同の礼拝を守り、新しい出発をなす。創世記12章7節をみると信仰の父アブラハムはゆくところゆくところでまず祭壇を築いた。サムエル記下6章には神の箱のとどまったオベデエドムの家を主は豊かに祝福されたと記される。家庭の祝福は真剣に礼拝をささげるところから来る。 子らに残すことばはひとつ わが家は朝な夕なに 祈りする家(朝倉) 【結論】主を恐れ主の道に歩め。主は豊かな人生を与えられる。家庭の祝福はシオンより、礼拝の場から流れ出る。主をほめよ。ハレルヤ! ジャンル別一覧
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